多焦点眼内レンズについて
白内障手術は、主に加齢が原因で濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズ(人工水晶体)を挿入することで視機能の回復を図るものです。
眼内レンズには、ピントの合う範囲が近方もしくは遠方のいずれか1カ所に限られる「単焦点眼内レンズ」と、
複数カ所にピントを合わせることでより広範囲の視力を補正する「多焦点眼内レンズ」があります。
通常の白内障手術に際して移植される眼内レンズは「単焦点眼内レンズ」です。
単焦点眼内レンズは、ピントの合う範囲が遠方か近方のいずれかに限られているため、遠方か近方を見る時のどちらかは眼鏡が必要となります。
これに対し「多焦点眼内レンズ」では遠方と近方の両方にピントがあうため眼鏡への依存を減らすことができます。
多焦点眼内レンズの注意点
多焦点レンズは構造が複雑なために、単焦点レンズに比べると、
暗所で光が散乱し、光の周辺に輪が架かって見える現象(ハロ・グレア現象)やコントラスト感度の低下(見え方の質の微妙な低下)が起きる場合があります。
多焦点眼内レンズの見え方になじんで視力が安定するまでには、個人差がありますが数週間〜数ヶ月を要する場合があります。